虫の知らせ

杉山さん

私は霊能力者でも予言者でもありませんが、よく「虫の知らせ」を聞くことがあります。

昨年の春、偶然、杉山さんの同僚の堀内さんにカナダでおこなわれた学会でお会いした時、国際教養大学に伺いたいと言うお話をしました。

それから数ヶ月して、年末のニューヨークの様子をテレビで見ました。私は普段、テレビを見ないのですが、家族が日本に行っていて、一人で家にいても退屈なので、テレビをつけて、ニューヨークの大晦日にMacy’sの近くを通るパレードを見た時、杉山さんを思い出しました。

また杉山さんを偲ぶ会がおこなわれた数日後、フロリダの「サルバドール・ダリ美術館」を訪れた時、私はなぜか杉山さんを思い出し、家族に杉山さんと過ごしたニューヨークでの出来事を話していました。

杉山さん、覚えていますか。コロンビア大学の日本語教授法のクラスで、昼休みになると、夏の日本語短期コースに参加している学生さんたちと交流しましたよね。あるひとりの韓国人学生が、自分のアパートに私たちを招待してくれました。

私は、たまたま他の用事があり、参加できなかったのですが、その学生のアパートは、マンハッタンのデパートMacysが目の前にあり、高級な家具や美術品があったと、クラスメイトがびっくりしていました。そこに参加した杉山さんが私に「すごい美術品や調度品があって、本物だったのよ〜。」と興奮しながら話してくれたことを今でも鮮明に覚えています。確かサルバドール・ダリの原画があったと言っていたので、それ以来、ダリの絵を観ると、あのコロンビア大学のサマーコースのことを思い出していました。

杉山さん、もっと早くに会いに行かなくてごめんなさい。いつだったか「夏のコースもあるから、教えに来て〜。」と優しく声をかけていただいたのに、杉山さんに会いに行くことができませんでした。心よりご冥福をお祈りすると共に、いつまでも優しく楽しく話しかけてくださった杉山さんの笑顔を忘れずにいたいと思います。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)

林 あさ子

Akiko Sugiyama Memorial

このHPは2018年7月25日にご逝去された故杉山朗子先生に捧げます。

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